2017
10.21

油絵の描き方講座


[1]お知らせ
●2017年11月29日より 藤松 健 油彩画展


[2]描いてみよう

1.油絵の道具について


2.考えてみよう



[3]日々雑感
●シリンダー状の鏡に映し出してみる彫刻・アナモルフォーシス
●数式で作られた絵 
●ゆり鈴木氏の新しいアート!絵と音楽、アナログとデジタルが融合 
●食材で名画を再現??
●まさかの一筆書きアート
●モナ・リザの髪型を女子大生風にすると可愛いと話題に






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2008
01.01

油絵の道具について (ナイフ・腕鎮)

Category: 技法
1.ナイフ
法によっては、ナイフを使って描画したりする場合もありますが、この講座でそのように使うことはあまりありません。
通常は、キャンバスに付着したゴミや絵の具カスなどを取るために使用します。この講座では、うす塗りで筆触を消すような感じで制作していくので、抜けた毛やゴミ、絵の具カスなどの付着物をを取り除き、フラットな画面作りをしていくために使用します。
絵を描き終わり、乾燥までしばらく置いておくと、気を付けていても部屋のホコリなどが付着しています。このまま描くと画面にホコリを埋め込んでいくことになり、まるで雪だるまを作るように、ホコリに絵の具の層が重なって大きな凸凹になっていきます。
そこで、再度、絵を描き始める時は、画面をナイフでなで、ホコリを落とすようにします。意外と多くのホコリが付着しているものです。仕上げの段階になって凸凹になった画面に、細密描写を施すのは骨が折れます。ホコリを取り、うす塗りをし、フラットな画面を作るよう心がけましょう。

ナイフは、ホルベイン製のものが良いです。
ナイフ




2.腕鎮

画面が絵の具でぬれている時、細かな書き込みをする時には、この腕鎮を使用します。腕鎮の上に手をのせることで安定感がグッと増します。市販の腕鎮は高価ですので、わざわざ買わなくても、コーナンなどのホームセンターで角材を買うといいです。細めの、しっかりとしたものでも500円くらいのものです。

このように使います(腕鎮)
腕鎮




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2008
01.01

油絵の道具について (筆洗い器とウエス)

Category: 技法
1.筆洗いの手順

油絵の面倒な点のひとつに、後片付けという問題があります。特に筆を洗うのは気を使ってください。
だって、セーブルなんて1本1000円とかするわけでしょう。洗いが不十分だったため、毛先が固まってしまったらもう終わりです。

絵の具を片付ける時は、筆についている絵の具を布で拭い取ります。だいたい取れたら、ブラシクリーナーで洗いましょう。これは灯油と同じような成分の液体ですが、洗浄に適した状態に精製したものです。灯油には不純物が含まれていますから、代用品として使わないでください。


ブラシクリーナー (写真はクサカベ)
ブラシクリーナー



ブラシクリーナーでザッと洗うと、最後に石鹸で洗います。水でぬらした固形の石鹸の上を、筆でクルクルとなでて泡立てます。そして、手のひらの上に移り、クルクルとなでてあわ立てます。ブラシクリーナーで洗ったはずなのに、筆の根元になどに残っている絵の具がジワッと染み出てきます。汚れが取れたら水洗いします。

あとは、水気をよくふき取り、乾燥させればOKです。できれば、ブラシソフターを筆に付け、穂先を整えてから片付けるとなお良いです。ブラシソフターとは、筆のリンスのようなもので、ブラシクリーナーで傷んだ毛を優しく包みます・・・なんて、シャンプーとリンスの宣伝みたいですね(笑)


クサカベ ブラソフター
ブラシソフター



でも、筆も我々の髪も同じ毛でしょう。我々が髪を洗ってリンスをすると、髪がつややかになりますよね。筆だって、手入れを怠ればボサボサになります。それなりに手入れをし、道具を大切にすれば、道具だって活躍してくれます。「道具を大切にしない人はうまくなれないよ」と僕の先生は言っていました。今の自分の力を発揮するためにも、筆洗いはきちんとやって、筆のベストコンディションを保ちましょう。



2.筆洗い器

さて、絵の具セットなどについているブラシクリーナーですが、携帯に便利なんだけど、しばらくすると液が汚れてしまって、筆を洗ってるのやら汚してるのやらという場合があります。そんな時は、筆洗い器を使うと便利です。


筆洗い器
筆洗器



筆洗い器は、金属製のちいさなバケツのような形をした容器で、水とブラシクリーナーを入れておき、ブラシクリーナーの層で汚れを落とし、水の層に沈殿させます。フタをあけるとすのこのような仕切りがあって、ここで筆をしごきます。
すのこのちょっと下くらいまで水をいれ、すのこより5センチほど上くらいまでブラシクリーナーを入れます。なぜ水を入れるのかというと、水と油で分離するので、汚れが水の層に沈殿すると、ブラシクリーナーが汚れにくいからです。

筆洗い



3.ウエス
筆や画面など、いろいろなものを拭くのに布が良く使われますが、最も良いのはメリヤスです。男性用の肌着・Tシャツなどがそうですね。お父さんが着古したTシャツなどがあれば、捨てずにウエスに使いましょう。最悪なのは市販の雑巾のような毛羽立った布です。筆や画面に余計な毛が付着して、汚れの原因となります。肌着でなくても、やわらかい布地であればウエスとして使えますので取っておきましょう。





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2008
01.01

油絵の道具について (パレットと油壺)

Category: 技法
1.パレット

ご存知の通り絵の具を並べるためのもので、形状も楕円形のものや四角、二つ折りなどがあり、サイズも大型のものから小型のもの、据え置き型など様々な種類があります。どのようなパレットを使うかは個人の好みと使う場所にもよりますが、これから絵を始める人なら、絵の具箱に入る程度の持ち運びが出来るサイズが良いのではないでしょうか。

よく、どちらが表なのか聞かれることがありますが、パレットの穴が右下にくるような状態が表です。この状態で、パレットの穴に左手親指を入れて持ちます。大きなパレットも、親指1本いれておけば保持できるよう、バランスを考えて作られています。残りの指は筆など数本持てるわけですね。ちなみに僕は左利きなので、机に置いて制作しています。裏返しても左利きの人が持ちやすいようには出来ていません。


パレット



新品のパレットの表面は、サット溶き油で拭いてから使うと良いです。使い終わって片付ける時も、ティッシュやボロきれなどでふき取った後、残った溶き油で拭いておくと、パレットもきれいになりますし、使い込むうちに乾性油の成分が付着してツルツルになり使いやすくなります。



2.油壺

油壺は、おちょこ程度の大きさの金属製の小さな容器で、底にクリップのようなものがついています。このクリップでパレットを挟みこむようにして取付します。
油壺には、そろばん型と筒型がありますが、掃除がしやすい筒型がいいと思います。油の状態は大切なので、短期間で使い切るか、マメに油を入れ替えたりするので手入れしやすい方が便利だと思います。そろばん型の形状は、倒れて油をこぼす心配がないそうですが、パレットにクリップでとめるのですから、これもあまり特筆すべき理由にはならないでしょう。
パレットを手に持って使わない場合は、小さな小皿などでも結構です。僕も小皿を愛用したことがありますが、広くて使いやすくて便利です。ただ、フタがついていないので継ぎ足すなどして使われる方には油壺の方がいいかもしれません。

そろばん型
そろばん型


筒型
筒型



3.絵の具の配置

絵を描くときは、油壺を取り付けて絵の具をパレットに置いていきます。絵の具はパレットの縁に沿っておいていき、真ん中は絵の具を混ぜる場所として残しておきます。始めのうちはすべての色をパレットに置くように指導しています。が、なれてきたら必要なものだけパレットに出すようにしてもいいと思います。

あの色使いたいなと思った時に、パレットに色が出ていなかったために、わざわざチューブから出すのも面倒に思って、混色を試さなかったりすることがあります。パレットに全色出しておくことは、勿体無いけれど、色に慣れるというメリットもあるのです。

絵の具が増えてくると全部出すのも意味がないかもしれません。塗る場所使う色が決まっている時などに全部出すのは勿体無いですよね。明らかに使わない色まで出す必要もないですし、いつでもチューブから補充できるのだから、そんなにたくさん出す必要はないのかもしれません。
暖色や寒色の主だった色だけ出しておくという方法もありますし、ほんの微量だけ出してもいいと思います。

並べかたは好みですが、私の場合は、寒色系、暖色系にまとめて色を置くようにしています。自分なりに色を出す位置を決めておくと良いと思います。色相環に沿って虹のように並べている方もいらっしゃいます。例えば、グリーン系、ブルー系、レッド系、イエロー系のように。
絵の具セットの順番どおり並べても良いでしょう。


4.後片付け

絵を描き終わったら、ティッシュやボロきれなどでパレットと油壺をふき取ってキレイにしましょう。パレットの絵の具をティッシュなどで拭い取ったら、油壺に残った溶き油でパレットを拭いてキレイにしましょう。毎回、キレイにふき取ることをオススメします。

よく、画家のパレットで絵の具がゴテゴテ付着しているのを見ることがありますが真似をしてはいけません。あれは横着しているわけではなくて、自分がどんな色を使っているのかという資料になるのだと聞いたことがあります。絵の具の配置やどのようにパレット上に絵の具を広げるかなど、完成された動きがプロの画家にはあるし、頻繁に絵の具を足したりするから使いよく残り固まっているのでしょう。私も一度試してみたことがありましたが、パレットに絵の具がこびりついて取れなくなり、筆は引っかかるし、残っている色はチラチラ気になるし、向いていないと思いました。


後片付けが面倒だという方は、ペーパーパレットというめくって捨てるタイプのパレットもあります。中には、魚のトレイやプラスチック板、パレットにサランラップを被せる人もいました。ただし、使い心地は木製のパレットに劣ります。

ペーパーパレット
ペーパーパレット



パレットを毎回、油壺に残った溶き油で磨き、つやが出て使い込んだ感じになるのは気持ちのいいものです。ひとつの道具を手入れして、大事に使うということはとても大切なことだと思います。



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2008
01.01

油絵の道具について (筆)

Category: 技法
1.弘法筆を選ばず?

"弘法筆を選ばず"と言うことわざをご存知でしょうか。
文字を書くのが上手な人は筆の良し悪しを問わないということを言っているのですが、現実は果たしてそうでしょうか。私の失敗談なのですが、昔どうしても写実的にかけないことを苦々しく思い、絵を描くの才能がないのかと落ち込んだことがありましたが、今にして思えば、豚毛の硬い筆でいくらこまかなぼかしを入れようとしても不可能だったんですね。
菜っ切り包丁で魚を三枚におろすようなものです。道具それぞれが目的とする用途に使われるように作ってあるのだから、目的外利用では、その特性を生かすことはできません。

実をいうと、弘法大師・空海は時と場合によって書体を選び書風を考え、それに応じて筆を吟味する人だったんだそうです。"弘法筆を選ぶ"というのが本当だったんですね。


このことを通じて感じたのは、道具の特性を知り、使い方を覚えれば、誰でもある程度の技術を身につけることができるということでした。菜っ切り包丁で魚を三枚におろすことが難しいように、道具に不慣れなために絵を描くのが苦手だと思っている人がどれだけいることでしょうか。適切な道具を正しく使う方法を学ぶことが、上達のひとつのポイントだと思います。そこで、少し筆についても書いていくことにします。


2.筆の形状

というわけで、筆を買うにはどのような筆があって、どんな筆を選ぶのかまず知る必要があります。
まず、筆の形状には、主に丸筆、平筆、扇形、楕円の4種類があります。その他にも面相筆とか隈取筆とか日本画や書道の世界に踏み込むと無数の種類がありますが、とりあえずはこの4種類から覚えましょう。

画材店に行くと、丸筆ならラウンド、平筆はフラット、楕円はフィルバート、扇形はファンと表示されています。参考に図をどうぞ。

筆の形



筆に書かれている「4号」とか「10号」という数字は、筆の太さを表します。数字の小さいほど細く、数字が大きいものは太くなります。キャンバスのサイズと同じ呼び方になっていますが、昔、描くキャンバスのサイズを目安に筆を選んだことに由来すると聞いたことがあります。とはいえ、広い面積は大きな筆で塗るし、細部は小さな筆で描くから、事実上はそんな基準はあってないようなものかも知れません。

広いところ、細かなところなど用途によって使い分けるために、手ごろなサイズを数本揃えるのがいいと思います。
丸筆、平筆、フィルバートを20号、10号、8号、4号、2号くらいあると便利です。私は、平筆は10号など大きめのものを、フィルバートでは4号、2号を良く使います。あと、書き込み用の筆0号?3号程度、数本あると便利です。最後に必ず用意して欲しいのがファン筆です。通常上使用する分には、4号程度で充分だと思います。
筆は多ければ多いほど便利なので、すこし大目に持つ方がいいと思います。



3.筆の材質


一般的に油絵用といえば豚毛の白い筆ですが、この講座で使用するのはもっとやわらかい毛の筆を使用します。中でも最も良い筆がイタチの筆です。

イタチといっても、どんなイタチ毛でもいいわけではなくて、日本に住んでるイタチの毛では駄目だそうです。極上の筆になるのは、ロシアや中国北東部に生息する赤テン(レッドセーブル)の毛で、なかでも毛足の長いものほど珍重され、特別にコリンスキーと呼ばれます。

外観は、茶色の弾力のある毛の筆で、一般的には、コリンスキーも含めて赤テンの毛をセーブルと呼び、画材店でもセーブル、コリンスキーセーブルなどと書かれています。この、セーブルの良いものになると、毛の一本一本が紡錘形をしており、穂先のまとまりが良く、やわらかく強いコシがあります。ゆえにエッジの効いた描きよい筆となります。またグラデーションをつける時など、ぼかす際にもキレイな濃淡を施すことができるので、持ってると何かと重宝する筆です。

フィルバート


ただ、セーブル筆は高価なので、すべての筆をセーブルで揃えてしまうとちょっと勿体無いです。そこで登場する代替品がナイロンです。ナイロンは、値段が安い割りに、イタチと同じく柔らかでコシが強いので、イタチ毛の筆の代役をこなすことが出来ます。
とはいえ、セーブルには当然及びません。制作の初期、中期にはナイロン筆を使いながら、細部を書き込む時や仕上げの際など、要所要所でセーブルを使うと良いのではないでしょうか。





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